コラム.1:弓の関板について
弓の上下についている関板は、弦音を出すためだけに存在するのではない。内竹が外れないように存在している。というのも
外竹と内竹は、"弦を張っていない通常の状態"から"会の状態"までずっと同じ形ではない。特に、内竹については弓が湾曲すれば
上下に動きようがないため、自身が縮むしかない。縮んだが故に元に戻ろうと反発をする。この反発が弓の強さの源であり、関板は
縮んだ内竹が飛んでいかないように関板が存在する。
コラム.2:籐の役割について
籐は弓の保護のためにある。弓でもっとも負荷のかかりやすい上下の関板付近にあるものは、上記にもあるように内竹が飛んでいかない
ようにするため。握りの部分は、矢が放たれるはきに弓が傷つかないようにするためである。決して、飾りのためだけについているわけではない。
コラム.3:弓を持つ位置について
弓がなぜ上から3分の2の部分を持つのかというと、その部分が最も振動が少ないからである。さらには、下のほうが短いと馬上での取り回しが容易
だからである。
コラム.4:弓の強さと矢の重量
強い弓には重い矢を、弱い弓には軽い矢を使用する。弓の強さに適した重さの矢を使用しないと、矢所が前になったり、正しい狙いでまっすぐ飛んでいかない。
また、弓の反動が矢に伝わりきらず、弓に悪影響を及ぼす。
弓の強さ+11〜12gぐらいがちょうどいい。
コラム.5:シャフトの数字について
ジュラ矢の数字 | ジュラ矢を使用している人はシャフトの部分に1914や2015といった数字を見かけるだろう。
この数字にもちゃんとした意味を持っている。もちろんカーボン矢にも意味がある。
前2桁はシャフトの直径を表し、後ろ2桁はシャフトの厚みを表している。
(ジュラ例) 1913:19→直径19/64インチ=7.54mm、13→13/1000インチ=0.33mm
(カーボン例) mizuno8024→直径8.0mm、24→24g
コラム.6:矢の羽根について
羽根の種類はいろいろある。安価な七面鳥から高価な犬鷲まで様々だ。七面鳥・黒鷲・熊鷹・犬鷲etc。同じ鳥でも、手羽根・尾羽根、さらに貝方・開き・風切り・石打等、
かなりの種類がある。練習量の多い人にとっては、値段も手頃で丈夫な黒鷲の尾羽根がお勧めだ。
コラム.7:「ゆがけ」の種類
「ゆがけ」にも種類と銘がある。3ツがけ、4ツがけ、諸がけという指の数によるもの。帽子が固いものと柔らかいもの。控えの有無と控えが大きいもの。
銘は作っているかけ師が命名する。「正澄」・「正則」・「一文字」・「征矢」などなどあげればキリがない。
コラム.8:上手な「ゆがけ]の選び方
親指がもっとも大切。指全体が収まったうえで、指先が触れるか触れないかの余裕を持たせる。
”ゆがけ”の形は、ゆがけを広げて帽子と控えを軽く畳んだときに、帽子と中指が平行になる。そのうえで、やがけを上から見た時に、親指が
的の方向に向いてること。
さらに,弦溝が親指に対して一文字(垂直)になっていることが望ましい。
コラム.9:「ゆがけ」の管理
”ゆがけ”の管理には細心の注意を払いたい。湿ったら、風通しの良い日陰に干すこと。直射日光は禁物である。
また、なるべくよ取懸けの形を保ちつつ、手ぬぐい等に包んで保管したい。